洋楽チャート調べ byアジアンらいおん

Billbord200中心に洋楽チャート分析します。(ロック多め)

アメリカの音楽誌チャート【Billboard】

プロローグ

このブログを書いている2021年10月現在は新型コロナウイルスの感染拡大が世界中で進み、収束の目処が立たない状況です。もはやコロナウイルスとの向き合い方は人類の課題となっている中で、「音楽」とりわけ「ライブ」の楽しみ方はコロナ以前とすっかり変わってしまいました。ライブに携わる方々はどのような感染対策を講じれば継続できるのかを日々模索なさっている事でしょうし、自分も一刻でも早く安心してライブが楽しめるようになって欲しいと願うばかりです。

一方でいわゆる「音源」の楽しみ方はYoutubeやストリーミングが中心で、この流れは新型コロナのパンデミックとは別の文脈にあるように思えます。

CDやレコードにも言える事ですが、「音源」の受け取られ方は社会情勢よりもテクノロジーとの関係が強固で、ある意味時代に左右されにくい一面があると言えます。もちろん実際は社会情勢との関係も根深いと思いますが、分かりやすく表面化されているとは言えない気もします。ただしチャートインしている音楽は真逆で、どの音楽も(サウンドにしてもリリックにしても)社会情勢を色濃く反映していると言えます。

そこでアメリカの1番有名なビルボードチャートを見れば各時代のタイムトラベルとなって楽しいはずなので本ブログを始めるに至りました。ただし自分も調べながら書くのでそもそもチャートに関して詳しくありません。できればこのブログを基にちょっとしたコミュニティができて一緒に考察していければ嬉しいです。そして何より自分より詳しい方はいらっしゃると思いますので、コメントで色々ご指摘や御指南お待ちしております笑

そもそもBillboardとは

アメリカの音楽誌でポピュラー音楽のヒットチャートを掲載しています。「Radio & Records」と2大チャートと言われているようですが正直Billboardの方が知名度ありますよね。天と地の差がある気がするけど。。。

1894/11/1に【Billboard Advertising】という誌名で初創刊されています。当時は企業広告の雑誌で全8ページ、1部10セントでした。10セントと言ってももちろん今と当時とでは価値が異なり、物価を考慮すると

1部=約760円

あれ、あんまり現代の感覚と変わらないですね。これを賃金も考慮すると明治初期は1ドル=20000円と言われていたので

1部=約4000円

高いですね笑 実際はどんな感覚だったのでしょうね。

1896年にはカーニバルやサーカスの広告を掲載しはじめ、翌年には【Billboard】に誌名を改名、その後鉄道網の拡大と共に広がっていきます。当時からエンターテイメントに関する嗅覚は鋭いようで、1914年にはポピュラーソングチャートを掲載します(毎号ではなく、1回きりの企画ものだったようです)。1916年からはレコードの認知も広がったので度々リズム&ブルースやカントリーのチャートも掲載していました。

2つのBillboardメインチャート

Billboardには様々な種類のチャートがありますが、特に現代でも主要とされているのが【HOT100】と【200】です。

【HOT 100】

シングルチャートです。セールス+エアプレイ(オンエア)で集計しています。※現在はストリーミングの発達もあり集計方法は異なります。現在の音楽を取り上げる際に改めて説明します。1958/8/4から掲載をスタートさせています。

最初のNo.1はRick Nelsonの「Poor Little Fool」です。

彼は写真を見るとなかなかの色男で俳優でもあったようです。この曲もロカビリー要素に加えてドゥーワップの感覚もあって非常に良い曲です。

【200】

アルバムとEPのランキングです。セールスのみを集計します。また、アメリカの小売店で発売されていないアルバム(それと米国流通していない輸入盤)はチャートに載らないようです。実際は60年初めからステレオとモノラルそれぞれのチャートがありましたが、1963/8/17に統合されて【Top LP's】というチャートになりました。当時は150位までの掲載でしたが67年には200位までのチャートになり現在の【200】となりました(名前の変更は度々あり、正式に【200】になったのは1992年からです)。※本ブログでは63年の【Top LP's】から【200】として扱います。

最初のNo.1はAndy Williamsの「Days of Wine and Roses」邦題「酒と薔薇の日々」です。

Moon Riverでお馴染みで同曲は好きなのですが実際のところ自分はあんまり詳しくありません。。。おススメ曲コメントでお待ちしています!笑

因みに同じ週のHOT100のNo.1はLittele Stevie Wonderで「Finger Tips」です。いやー神童ですね。

LPの価格

チャート、特に【200】はセールスを反映しているので経済状況など考えると完璧に当時の人気や情勢を反映しているとはイマイチ言いにくく、とはいえそこまで考慮してたらブログなんて書いてられないという葛藤もあり。。。

そこで当時のLPの価格を見てみると大体$2〜4位でした。因みに映画のチケットは平均69セントでした。

映画チケットの約3倍は下らないと考えるとやっぱりLPは高価だったようです。ミュージシャンのインタビューとか見ても昔はLPが高くて買えなかったって話はよく見るし。けど色々とチャートを見てみるとその当時の流行りや空気感は反映されているように感じます。

※LPは「Long Play」の略で、要するにアルバムです。

 

さて幾つかBillboardのことを紹介したところで本ブログについて

 なぜ【200】を扱うのか

洋楽を考えた時に頭に浮かぶイメージはジャケットが多いと思います。例えばThe ClashのLondon Calling、Jimi HendrixのAre you Experienced?、大瀧詠一のA Long Vacationなど(邦楽でごめんなさい)良い音楽には良いアートワークありで、それはアルバムであり、よりアーティスティックであります。シングルはキリがないってのも少しあります。それと洋楽のコンテンツを手に入れる時、現代のストリーミング形態では違うかもしれませんが自分が貪っていた頃はシングルを買う機会はほぼなく、圧倒的にアルバムの方が馴染み深いからです。

なぜBillboardなのか

60年代イギリスのミュージシャンが稼ぐためにアメリカに渡ったように、マーケットの規模や多様なジャンルの中心はやはりアメリカだと思ったからです。音楽チャートというものは結局のところお金儲けの結果でもありますので、アメリカで最も権威のあるであろうBillboardを取り扱うことが1番分かりやすく面白いと考えたからです。

ただし比較などで全英チャートや日本のチャートを取り扱う可能性もあります。気力があれば・・・。

 

兎にも角にも、今後このコミュニティ上で皆さんと楽しく、居酒屋で音楽の話をするようにやっていきたいなあ思うところです。